ism (Intelligent System of Music) とは?

ism (Intelligent System of Music)《イズム》とは、ローランドが提唱する、電子楽器の技術を活用した音楽教育の支援システムです。横浜音楽院ではレッスンにこの ism を導入し、より付加価値の高い音楽教育を目指します。

ism の三つの要素

ism は、次の三つの考えに基づきます。

ポイント1

ismはあらゆる楽器に対応します

ism では「ミュージックデータ」の活用が大きなポイントの一つです。ミュージックデータを聴きながら譜読みを進めたり、右手の練習の際に、ミュージックデータの右手パートを消音して左手パートを聴きながらそれに合わせて練習する、といったように、常に曲の完成形をイメージしながらレッスンを進めていくことができます。

このようなレッスン方法は、ピアノや電子オルガンのレッスンはもちろん、フルートやヴァイオリン、ギター、合唱などのレッスンにもそのまま応用できます。オーケストラなどの伴奏パートをミュージックデータで再生しながら、ハーモニーやアンサンブルの完成形を意識したレッスンが可能です。

ポイント2

ismはあらゆるメソッドに対応します

ism は、従来の様々な音楽指導法(メソッド)の優れた特長をより効果的に引き出します。ピアノならツェルニー、ブルグミュラーといったあらゆる教材に対応するほか、音楽ジャンルもクラシックに限らず、ポップスやジャズまで幅広いジャンルのレッスンに対応します。

ism はこれまでのメソッドに置き換わるものではなく、これまで行ってきたレッスン体系の指導効果を高めるお手伝いをするもの、お考えください。

ポイント3

ismはレッスンを今まで以上に楽しく効果的なものにします

「レッスンがおもしろくない」「練習するのが苦痛」といった生徒さんの声を耳にすることがあります。音楽が好きでレッスンに通い始めた生徒さんがこのように感じるのは、レッスンに楽しさを見いだせていない、ということが最大の理由です。

結果を早く出したい、単調な反復練習はつまらない、といった生徒さんのニーズにうまく応えることができれば、レッスンもきっと楽しいものになるはずです。

ミュージックデータでレッスンをサポート

音楽の練習にミュージックデータを加えれば、早く上達することができます。

ミュージックデータって何?

ミュージックデータには、音の「高さ」「長さ」「強さ」などの演奏情報が入っています。このデータをミュージック・プレーヤーで再生させると、情報のとおりに演奏されます。音そのものが録音されているCDなどのオーディオデータとは違い、ミュートや移調、音色、テンポの変更も自由自在です。

ミュージックデータを使ってアンサンブル演奏を楽しもう

ミュージックデータのいちばんの魅力は、アンサンブル演奏が気軽に楽しめること。他の楽器音を聴きながら演奏し、アンサンブルのなかでのピアノの役割を学ぶことによって、音楽的センスがどんどん磨かれます。

また、テクニックが上達するにつれて、練習曲やクラシック以外の曲も弾きたくなるのではないでしょうか。さまざまなジャンルのタイトルが発売されているミュージックデータだからこそ、音楽的興味がどんどん膨らんで、レパートリーを増やすことができます。

ismだから、こんなピアノレッスンが実現します

ミュージックデータとミュージックプレーヤーの機能を活用すると、次のようなレッスンが実現します。

消音(ミュート)

右手/左手/オーケストラ/リズムを別々に聴くことができるミュージックデータだからこそ、一つひとつのパートの役割をきちんと把握することができます。お手本データを聴くことによって、曲全体の音楽的なイメージをつかむことができます。

ミュート機能は練習でも活躍します。テンポをキープできなかったり、どうしてもつっかえてしまうときには、左手パート以外をミュートし、左手パートだけを聴きながら、同じように左手を弾くなぞり弾きをしてみましょう。

また、左手パートを再生しながら右手を演奏すれば、常に完成された楽曲を聴きながら片手練習を進めることができます。

テンポ・チェンジ

テンポを変えても音程が変わらないミュージックデータを使って、初めはゆっくり、そして徐々にテンポを上げて練習。自分の上達の段階を数字に置き換えて目標づくりができます。

メトロノーム

例えば8分音符の練習曲では、「1ト2ト3ト4ト」とリズムをとることがあります。そんなときはミュージックプレーヤーのメトロノームの刻み方を音符に応じて細かく設定しましょう。正確なリズムを刻む力、一定のテンポをキープする力が身につきます。

繰り返し/マーク

どうしても苦手な箇所があるときは、ミュージックデータの特定の部分だけ再生させます。何度でも繰り返し演奏してくれるので、集中的に練習することができ、つっかえ弾きを克服できます。

移調(トランスポーズ)

テンポを変えずに音程を変えられる移調(トランスポーズ)機能を使って、シャープ(#)やフラット(♭)のたくさんついた曲を簡単な調で練習しましょう。また、いつものハノンも半音上げるだけで一歩進んだ練習課題に早変わりします。

ismを実践する楽器をご紹介

2023年7月時点で発売されている機種を紹介します。

ローランド ミュージックプレーヤー「MT-90U」

GS、GM音源を搭載したSMFプレーヤーとして、簡単で操作しやすいモデル。USBメモリーに対応し、ミュージックデータだけでなくWAVやMP3の再生も可能。